医療依存度の高い方の受け入れ

医療依存度の高い方を受け入れて、元気にする

医療依存度が高く、グループホーム・有料老人ホーム等に入居が難しかった方を元気にし、

在宅もしくは施設への入居を可能にします。

元気にするとは

 介護施設での通常のリハビリは、入所後三か月間は身体的機能・日常生活動作の向上を目的として、一回約20分~40分程度を週三回行うものとされています。アップルウッド西大寺では一日24時間ある中で20~40分のリハビリで本当にその方へのリハビリで残存能力の回復になるのだろうか、もっと個々人のレベルに合った目標を設定したリハビリがあるのではないかと考えました。
 そこである一つの仮説を立てました。理学療法士の評価に基づく個人ごとのプログラムでリハビリを行っていく事。また限られた医療・介護資源の中で、リハビリ職以外にも出来る事が有るのではないかと。通常は看護・介護・リハビリ職がそれぞれの専門を活かし入居者様に携わっていくわけですが、アップルウッド西大寺ではそれだけではありません。リハビリ職による個別リハ、看護・介護職も連携しリハビリ職による個々人毎のプログラムに基づいた日中6時間の目的ある離床時間の確保により、ADL※の回復や状態の安定化を目指しています。

 これらを実施していくことにより、約三ヶ月で8割以上の方に動作改善がみられました。


※ADL(Activity of Daily Living)
食事やトイレ、入浴や整容、さらに移動などといったような、私たちが日常生活の中でごく当たり前に行っている日常生活動作。

医療依存度の高い方とは?

 医療依存度の高い方とは、毎日の生活に医療的なケアが必要不可欠である状態の方をいいます。

 例えば、自力での呼吸や摂食が難しい場合には人工呼吸器の使用、気管切開、酸素吸入、
一時間に一回以上の吸引、経管(チューブ)栄養の方をいいます。
このような医療依存度の高い方は、グループホームや有料老人ホーム等での入居は厳しいのが現状です。

 アップルウッド西大寺では、医療依存度が高い方、他の施設での入居が難しかった方を受け入れさせていただいております。
そして個人差はありますが概ね三ヶ月から一年程度で、
本来なら難しかったグループホーム、有料老人ホーム等への転居が可能となっています。

 

 

受け入れ実績

開設以来現在までの病名・医療的処置別受入実績 2019年3月31日現在

医療的処置別 受入 疾病別 受入
喀痰吸引 72名 脳血管疾患 68名
PEG(胃ろう) 42名 脳変性疾患 40名
レビン(経鼻栄養) 18名 認知症 32名
バルーン 16名 悪性新生物 14名
気管切開 13名 心疾患 11名
在宅酸素 9名 整形疾患 10名
腸ろう 4名 脊髄損傷 7名
ストーマ 2名 呼吸器疾患 5名
CVポート 2名 内臓疾患 4名
人工呼吸器 1名 精神疾患 3名
IVH 1名 神経筋疾患 2名
小計 180名 小計 196名

実例

医療依存度の高い方 A様㈰

A様 女性 要介護4

既往歴:左大腿部頚部骨折、誤嚥性肺炎、
  パニック障害、高血圧症、認知症

入  居  経  路:回復期病院

ケ ア の 内  容: 1)離床 2)ADL訓練 3)歩行訓練

入  居  目  的:看取り

ご家族の希望:看取り

入居前

このまま病院にいたら寝たきりのまま。
といっても現状態では受け入れてくれる施設はなかなかない。

4ヶ月後

屋内平地歩行300m、更衣も自立、食事の摂取量も安定。
再度プランの見直し。

5年後

退居。老健施設へ入所。本来は入居一年で退居可能でしたが、
ご家族が看取りを覚悟されていたので自宅を売却されていたため。

医療依存度の高い方 B様㈪

B様 74歳 女性 介護度5

既往歴:左進行性核上性麻痺、Ⅱ型脂質代謝異常、
  胃ろう、気管切開

入  居  経  路:療養病棟

ケ ア の 内容:在宅での生活のためのリハビリ

入  居 目   的:在宅での生活のためのリハビリ

ご家族の希望:在宅での生活のための状態改善、
  在宅での喀痰吸引

入居前

ご家族はご自宅での生活を希望されるが、寝たきり全介助、
2時間ごとの喀痰吸引が必要で介護負担が大きいため断念される。

2ヶ月~6ヶ月

活性化ケアで覚醒が向上し、声かけに対し反応が良好になりました
。体幹前屈運動で座位が安定(半日程度)。
体幹も安定し、動作改善し介助量が減少しました。

7ヶ月後

退居。ご家族が自信をもって在宅復帰へ。
現在は通所リハビリ等を活用して在宅生活を継続。
「何かあったらまたアップルウッドがあるから安心」とおっしゃられる。